夏バテにおすすめの漢方薬

医療

夏バテとは?

夏バテは、夏の暑さや湿気による身体の不調を指します。高温多湿な環境が続くと、体は体温調節に多くのエネルギーを使い、次第に疲労が蓄積します

夏バテの原因

夏バテの主な原因は、暑さと湿気による体への負担、エアコンの使用による温度差、自律神経の乱れ、水分不足、食欲不振、そして寝苦しい夜による睡眠不足など。これらが重なることで、体力が低下し、疲労感や倦怠感が現れます。

漢方薬の役割と効果

漢方薬は、古代中国の伝統医学に基づいており、自然由来の成分を使用して体のバランスを整えることを目的としています。漢方薬は、症状の緩和だけでなく、根本的な体質改善を目指す点が特徴です。

夏バテにおすすめの漢方薬

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

胃腸の働きをよくして体力を回復をさせ、元気をとりもどすのを助けます。体の疲れ、食欲不振、胃弱、夏やせ、こじれて長びくカゼ、痔、あるいは病中・病後、手術後などで体力が弱っているときに用います。

効能:
夏やせ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症など

用法:通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する

六君子湯(りっくんしとう)

胃腸の働きをよくして、水分の停滞を改善します。その作用から、胃もたれ、胃のチャポチャポ、吐き気、食欲不振、お腹のゴロゴロ、軟便などに用います。やせ型で顔色が悪く、疲れやすい人に向く処方です。

効能:
胃腸の弱いもので、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの次の諸症。
胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐。

用法:通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する

人参養栄湯(にんじんようえいとう)

体力と気力を補い、元気をとりもどすのを助けます。冷え症で貧血気味、顔色が悪く、疲労衰弱がひどいとき、あるいは病中・病後、手術後などで体力が弱っているときに用います。

効能:
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血

用法:
通常、成人1日9.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する

五苓散(ごれいさん)

水分循環を改善し、無駄な水分を取り除きます。具体的には、はき気や嘔吐、下痢、むくみ(浮腫)、めまい、頭痛などに適応し、さらには二日酔いの諸症状やドライマウスなどにも応用されます。体質(証)にそれほどこだわらず、口が渇き、尿量が少ないことを目安に広く用いられている漢方薬です。

効能:
口渇、尿量減少するものの次の諸症。
浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病。

用法:
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する

まとめ

これらの漢方薬は、夏バテの予防や症状の緩和に役立ちますが、個々の体質や症状に応じて選ぶことが重要です。専門家に相談し、自分に合った漢方薬を選ぶことで、夏の暑さを乗り切る手助けとなります。また、漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、適切な生活習慣や食事の改善も併せて行うことが大切です。

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